2019年2月11日月曜日

中高齢の寡婦加算、経過的寡婦加算

中高齢の寡婦加算
今回は、中高齢の寡婦加算、経過的寡婦加算について説明していきます。
「寡婦」という言葉は、以前にも出てきましたね。国民年金の遺族基礎年金のところで、子のない妻には遺族基礎年金が支給されないため、夫の保険料の掛け捨て防止のために設けられた寡婦年金の制度でしたね。また、中高齢とは何歳ぐらいの人をいうかは統一的なものはありませんが、おおむね40代以上から60代の年齢を指すことが多いようです。寡婦ですから「妻」にしか支給されませんね。寡婦年金と比較して学習してみてください。

中高齢の寡婦加算


 会社員等の夫が亡くなった場合、妻と子が残されたときは妻に遺族基礎年金が支給されますが、子のない妻が残されたときは、遺族厚生年金しか支給されません。
 そこで、遺族基礎年金の4分の3の額を中高齢の寡婦加算として加算することにしています。

支給要件
 次のいずれかに該当する妻に支給される遺族厚生年金

①夫の死亡当時40歳以上65歳未満の妻
 ⇒子のある妻は、遺族基礎年金が支給されます。
中高齢の寡婦加算 支給要件①

②40歳に達したときに、夫の死亡当時から生計を同じくしている遺族基礎年金の
 支給要件を満たす子のある妻
 ⇒遺族基礎年金を受給していても「子」が原則18歳年度末に達すると支給されません
  ので、失権した後、中高齢の寡婦加算が行われます。
中高齢の寡婦加算 支給要件②


(ポイント)
①妻が国民年金法による遺族基礎年金の支給を受けることができるときは、その間、
 中高齢寡婦加算に相当する部分の支給が停止されます。遺族基礎年金を受けることが
 できない妻に支給するのですから当たり前ですね。
②長期要件による遺族厚生年金である場合は、その額の計算の基礎となる夫の厚生年金
 保険の被保険者期間の月数が240月(20年)以上であること。(中高齢の特例あり)

支給額
 中高齢寡婦加算の額は遺族基礎年金の4分の3の額です。
 平成30年度は、年額584,500円になります。

経過的寡婦加算

中高齢の寡婦加算は前述のとおり65歳に達すると終了しますが、中高齢寡婦加算を受給していた昭和31年4月1日以前生まれの人は、65歳以降は経過的寡婦加算を受給することができます。夫が死亡したとき、既に65歳以上で中高齢寡婦加算を受けることができなかった場合でも、経過的寡婦加算を受給することができます。理由を説明します。

 中高齢の寡婦加算が加算された遺族厚生年金の支給を受けている妻が65歳に達すると
、妻自身の老齢基礎年金の受給権が生ずるとの理由から、中高齢の寡婦加算は支給されなくなります。ところが、この妻は(元)会社員の妻でした。ようするに国民年金の第3号被保険者であります。第3号被保険者の項でも説明しましたが、昭和61年3月までの旧法時代は任意加入でした。任意加入していない場合は、老齢基礎年金の額が少額となります。昭和61年4月1日の新法施行のときに昭和31年4月1日以前生まれの人は、すでに30歳以上であり、満額の40年に達することが困難です。仮に、昭和31年4月1日生まれの方は、昭和61年4月から60歳まで加入しても、40年分の30年となり中高齢の寡婦加算の額(老齢基礎年金の4分の3)と同額です。それより以前に生まれた人は完全に中高齢の寡婦加算の額より少額となることがわかります。

 そこで、65歳以降の年金額が減らないように、中高齢の寡婦加算との差額を経過的寡婦加算として加算することにしたのです。

経過的寡婦加算の額
  中高齢の寡婦加算額 - 老齢基礎年金の額×寡婦の生年月日に応じた率
 ※老齢基礎年金の額×寡婦の生年月日に応じた率とは、昭和61年4月から60歳まで
  の期間で計算した老齢厚生年金の額となります。



#社労士 #試験 #独学 #年金 #基礎知識 #中高齢の寡婦加算 #経過的寡婦加算

2019年2月9日土曜日

遺族厚生年金

遺族厚生年金

 今回は、遺族厚生年金について解説します。遺族基礎年金と比べると多少複雑です。支給要件でも、遺族厚生年金は、障害等級1級・2級の障害厚生年金を受け取っている方が死亡したときなど相違点があります。比較学習するようにしてください。






支給要件
 遺族厚生年金は、厚生年金保険の被保険者または被保険者であった者が次のいずれかに該当した場合に、その者の遺族に対して支給します。

①厚生年金保険の被保険者が死亡したとき
 ※厚生年金保険に加入していた人が死亡した場合で、保険料納付要件を満たしている
  必要があります

②被保険者の資格を喪失した後、被保険者期間中に初診日がある傷病が原因で、初診日
 から5年以内に死亡したとき
 ※退職後の話ですが、被保険者期間に初診日がないとダメです。たとえば、退職後の
  翌日に不幸にして亡くなられた場合はダメということです。
  また、保険料の納付要件を満たしている必要があります。

③障害等級1級・2級の障害厚生年金を受け取っている方が死亡したとき
 
④受給資格期間が25年以上である老齢厚生年金を受給権している人が死亡したとき

⑤老齢厚生年金の受給資格のある人が死亡したとき
 ※保険料納付済期間、保険料免除期間及び合算対象期間を合算した期間が25年以上ある
  方が死亡したとき
 ※平成29年8月1日より、老齢基礎年金の受給資格期間は「10年」となりましたが、
  遺族基礎年金と遺族厚生年金の受給要件は10年に短縮されていません

①~③を短期要件、④、⑤を長期要件といいます。この分け方は、後の年金額で違いが出てきます。

保険料納付要件
 障害基礎年金や障害厚生年金の保険料納付要件とまったく一緒です。
 被保険者中の死亡または被保険者期間中に初診日のある傷病で初診日から5年以内
の死亡の場合は、死亡日の属する月の前々月までに被保険者期間に、保険料納付済期
間と保険料免除期間の合算した期間が3分の2以上であること
特例として、平成38年4月1日前までに亡くなった場合(65歳未満に限る)には、亡く
なった月の前々月までの直近1年間に未納がなければよいとされています。

遺族の範囲、順位
 妻以外の人については、要件が設けられています。 
 ・第1順位:配偶者(妻または夫:夫は55歳以上) および
       子(18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか、
         または20歳未満で障害等級の1級若しくは2級に該当する障害の状態
         にあり、かつ、現に婚姻をしていないこと)
 ・第2順位:父母(55歳以上)
 ・第3順位:孫(18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか、
         または20歳未満で障害等級の1級若しくは2級に該当する障害の状態
         にあり、かつ、現に婚姻をしていないこと)
 ・第4順位:祖父母(55歳以上)

(補足)
 ・遺族基礎年金と異なり、受給できる範囲が広く、「子」のいない配偶者も、
  受給できます。ただし、「子」のいない妻は、夫が死亡時に30歳未満の場合、
  5年間だけしか受給ができません。(若年期の妻に対する遺族厚生年金の見直し)
 ・夫、父母、祖父母は55歳以上で支給開始は60歳から
 ・「子」のある配偶者又は「子」は、遺族厚生年金のほかに、遺族基礎年金も併せて
  受給することができます。
 ・一方、「子」のない配偶者は、遺族基礎年金が支給されません。しかし、そのうち、
  40歳以上の配偶者であれば、65歳になるまで、遺族厚生年金に中高齢寡婦加算
  (定額)が加算されて支給される場合もあります。

年金額
 遺族厚生年金の額は、原則として老齢厚生年金の額の規定の例により計算した額の4分の3に相当する額となりますが、短期要件であるか長期要件であるかで多少相違点があります。短期要件の場合は、被保険者期間の月数については300月のみなしがあります。長期要件の場合は、生年月日に応じた乗率の読み替えがあります。
報酬比例部分の年金額は、1の式によって算出した額となります。
なお、1の式によって算出した額が2の式によって算出した額を下回る場合には、2の式によって算出した額が報酬比例部分の年金額になります。

1.報酬比例部分の年金額(本来水準)
 {平均標準報酬月額×7.125/1,000×平成15年3月までの被保険者期間の月数+
  平均標準報酬額×5.481/1,000×平成15年4月以降の被保険者期間の月数}×3/4

2.報酬比例部分の年金額(従前額保障)
(従前額保障とは、平成6年の水準で標準報酬を再評価し、年金額を計算したものです。)
 {平均標準報酬月額×7.5/1,000×平成15年3月までの被保険者期間の月数+
  平均標準報酬額×5.769/1,000×平成15年4月以降の被保険者期間の月数}
  ×0.999×3/4
  ※昭和13年4月2日以降に産まれた方は、0.997

 ・平均標準報酬月額と平均標準報酬額の計算にあたり、過去の標準報酬月額と
  標準賞与額には、最近の賃金水準や物価水準で再評価するために「再評価率」を
  乗じます。
 ・短期要件に基づく遺族厚生年金では、被保険者期間が、300月(25年)未満の場合
  は、300月とみなして計算します。
 ・長期要件に基づく遺族厚生年金の場合、計算式の1000分の7.125(9.5~7.125)
  および1000分の5.481(7.308~5.481)については、死亡した方の生年月日に
  応じた読み替えがあります。
 ※短期要件は、障害厚生年金の計算式と同じで、長期要件は老齢厚生年金の計算式
 (4分の3は違うが)と同じであると覚えましょう。

遺族厚生年金の加算の特例
 死亡した人の子のある配偶者または子であって遺族厚生年金の支給要件を満たす人でも、特殊な事情により遺族基礎年金に支給要件を満たせない場合があります。その場合は、遺族基礎年金額や子の加算に相当する額を、厚生年金保険から特別に加算する制度があります。遺族厚生年金が受け取れて、遺族基礎年金が受け取れないとはどういう事情でしょうか? 正解は、下記①と②のケースが典型例で考えられます。
①昭和36年4月以前の加入期間しかない老齢厚生年金の受給権者の死亡
②下記の要件をすべて満たした人の死亡
 ・障害等級1級または2級の障害状態にある障害厚生年金の受給権者
 ・海外に住所を有する
 ・国民年金に任意加入していない(被保険者でない)
 ・保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間につき、原則25年を満たす
  ことなく
①は、国民年金に一度も加入していませんので、遺族基礎年金は支給されません
②は、下記の遺族基礎年金の要件をすべて満たしておりませんので、
  遺族基礎年金は支給されません
したがいまして、遺族厚生年金は支給されますが、遺族基礎年金は支給されないケースが
出てきます。
 <遺族基礎年金の支給要件>
 ・被保険者が死亡した ⇒被保険者でない
 ・被保険者であった人で、日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満で
  ある人が死亡したとき ⇒海外在住
 ・老齢基礎年金の受給権者が死亡したとき ⇒25年要件
 ・老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている人が死亡したとき ⇒25年要件 

支給停止
 ①労働基準法との調整
   被保険者または被保険者であった者の死亡について、労働基準法の規定により
  遺族補償を受けることができる場合は、死亡の日から6年間、その支給を停止
  されます。
 ②配偶者と子の遺族厚生年金
   配偶者と子は同順位ですので、同時に受給権を得た場合は、次のように
  調整されます。
  ・子に対する遺族厚生年金は、妻が遺族厚生年金の受給権を有する期間、
   支給停止されます。
  ・夫に対する遺族厚生年金は、子が遺族厚生年金の受給権を有する期間、
   支給停止されます。
  つまり、優先順位は、妻>子>夫となります。

それでは、また次回をお楽しみに!!



#社労士 #試験 #独学 #年金 #基礎知識 #遺族厚生年金

2019年2月2日土曜日

死亡一時金(国民年金独自の給付)

死亡一時金

 今回は、死亡一時金について解説します。死亡一時金も寡婦年金と同様、国民年金独自の給付です。寡婦年金は妻だけに支給されるものでしたが、死亡一時金は一定の遺族に支給されるものです。死亡一時金も、遺族基礎年金を受けることのできる遺族がいない場合に支給される保険料の掛け捨て防止を目的とする給付なのですね。

死亡一時金

たとえば、子のない夫婦がいて、第1号被保険者である妻が亡くなったとします。子がいないので、夫は遺族基礎年金は受給できません。寡婦年金はというと、寡婦の「婦」は婦人の婦ですから、女性しか受給できません。結果、夫には何も支給されないこととなり、妻が長年支払った保険料が無駄になってしまいます。そこで掛け捨て防止のために死亡一時金を支給することとしたのです。

支給要件
 死亡日の前日において、死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る次の①から④の月数を合算した月数が36月(3年)以上である者が死亡したこと
①保険料納付済期間の月数
②保険料4分の1免除期間の月数の4分の3に相当する月数
③保険料半額免除期間の月数の2分の1に相当する月数
④保険料4分の3免除期間の月数の4分の1に相当する月数

遺族の範囲
 死亡した者の遺族(1・配偶者、2・子、3・父母、4・孫、5・祖父母、6・兄弟姉妹の中で優先順位の高い方)であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものに支給されます。
<補足>
 障害厚生年金等の配偶者加給年金は以前説明しましたが、その場合は「生計維持」が
 要件でした。「生計を同じくする」との違いは何でしょう?
 「生計維持」とは、下記の2つの要件が必要です。
  ①生計を同じくしていること、、つまり生計同一であること
  ②収入が一定額以下であること
 以上2つの条件をいずれも満たす人になります。
 簡単に言えば、生活費の大半は夫(妻)の給与で賄われていること。
 「生計を同じく」は生計を同じくするだけでよく、収入額については問われない、
 ということになります。
 試験では細かい違いをついてくることもありますので注意してください。

死亡一時金が支給されない場合
①死亡したものが、老齢基礎年金または障害基礎年金の支給を受けたことがある場合
②死亡したものの死亡日において、その者の死亡により遺族基礎年金を受けることが
 できる者があるとき
 (死亡日の属する月に遺族基礎年金の受給権が消滅したときを除く)
  ⇒父の死亡月に子が18歳の年度末に達したようなケースです。年金の支給は翌月
   からですから、この子はいったん遺族基礎年金の受給権を得ていますが、結局
   一度も支給を受けていません。そこで、死亡一時金を支給することとしたのです

③遺族基礎年金の受給要件を満たす胎児であった子が生まれたことにより、妻または胎児
 であった子が遺族基礎年金の受給権を取得したとき
 (胎児が生まれた日の属する月に、遺族基礎年金の受給権が消滅したときを除く)
  ⇒子が生まれてすぐに死亡したようなケースです。

遺族基礎年金を受けることができる場合は、死亡一時金は支給されません。
死亡一時金は、保険料の掛け捨て防止ですから、当然ですね。

支給額
  (合算した月数)  (支給額)
   36月以上180月未満  120,000円
  180月以上240月未満  145,000円
  240月以上300月未満  170,000円
  300月以上360月未満  220,000円
  360月以上420月未満  270,000円
  420月以上       320,000円

 ※付加保険料に係る保険料納付済期間が3年以上ある場合は、一律に8,500円が
  加算されます。

寡婦年金との選択
 死亡一時金の支給を受ける者が寡婦年金の支給を受けることができるときは、その者の選択により、どちらか一方が支給されます。

それでは、また次回をお楽しみに!!

 
#社労士 #試験 #独学 #年金 #基礎知識 #死亡一時金

寡婦年金(国民年金独自の給付)

寡婦年金
国民年金独自の給付である寡婦年金について説明していきます。
 第1号被保険者として長年保険料を支払った夫が死亡した際に、残された妻に子がある場合は遺族基礎年金が支給されますが、そうでなければ支給されません。何も支給しないのでは、夫が長年支払った保険料が無駄になってしまいますので、掛け捨てにならないように妻に対して支給される年金のことです。自営業の妻の場合、老齢基礎年金を受け取れる年齢までの間、収入が途絶えてしまう可能性があり、それを救済する措置として、この寡婦年金が設けられています。
 原則として妻が60歳から65歳までの間、夫の第1号被保険者期間だけで計算した老齢基礎年金の4分の3の額が妻に支給されます。
寡婦年金を受給できるのは妻だけであり、仮に妻が先に死亡したとしても、残された夫には寡婦年金は支給されません。男女格差のある年金制度であるともいえます。

寡婦年金

支給要件
 寡婦年金は、次の①から⑤の要件をすべて満たした妻に支給されます。
ただし、妻が繰り上げ支給支給の老齢基礎年金を受けている場合は支給されません。

①死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者(任意加入被保険者
 を含む)としての被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した
 期間が10年以上(期間短縮特例あり)である夫(保険料納付済期間または学生等の保険
 料納付特例等以外の保険料免除期間を有する者に限る)が死亡したこと
 ※遺族基礎年金は25年である。
②夫の死亡の当時、夫によって生計を維持していたこと
③夫と婚姻関係(内縁の妻含む)が10年以上継続したこと
④65歳未満の妻であること
⑤夫が障害基礎年金の受給権者であったことがなく、または老齢基礎年金の支給を受けて
 いたことがないこと

支給期間
①夫の死亡当時、60歳以上の妻であるとき
 夫の死亡日の属する月の翌月から支給されます。
②夫の死亡当時、60歳未満の妻であるとき
 妻が60歳に達した日の属する月の翌月から支給されます。

年金額
 死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る死亡日の前日における保険料納付済期間および保険料免除期間(4分の3免除、4分の1免除期間期間も考慮されます)につき、老齢基礎年金の額の計算の例によって計算した額の4分の3に相当する額が支給されます。

失権
 次の要件のいずれかに該当した場合は、失権します。
①65歳に達したとき
②死亡したとき
③婚姻をしたとき
④養子となったとき(直系血族または直系姻族の養子となったときを除く)
 (事実上の養子縁組関係を含む)
⑤繰り上げ支給の老齢基礎年金の受給権を取得したとき

また、妻が保険料を滞納していた等の理由で65歳になって老齢基礎年金を受給できない場合であっても、寡婦年金は失権します。

支給停止
 夫の死亡について、労働基準法による遺族補償が行われるときは、死亡日から6年間、その支給を停止します。
遺族基礎年金でも同様の理由で支給停止されていましたね。

それでは、また次回をお楽しみに!!

 
#社労士 #試験 #独学 #年金 #基礎知識

2019年1月31日木曜日

遺族基礎年金額はいくらか?支給停止要件は?

遺族基礎年金年金額支給停止

 今回は、遺族基礎年金の年金額と支給停止要件について解説します。
年金額は、毎年改定率によって変動しますが、国民年金の年金は定額制となっていますので、そう状況に応じて金額が変わるというほどでもありませんし、厚生年金保険の報酬制と比べても単純といってもいいですね。


遺族基礎年金額(基本額)

遺族基礎年金の年金額は、779,300円(平成30年4月から)です。

遺族基礎年金の額は、「配偶者と子が受給権者」の場合と「子のみが受給権者」の場合にわけて考える必要があります。

配偶者に支給する遺族基礎年金額と加算額
 基本額と子の加算額を合算した額です。
 基本額:779,300円
 子の加算額:2人目まで(1人につき)224,300円
       3人目以降(1人につき) 74,800円

子に支給する遺族基礎年金額
 子に支給する遺族基礎年金は、基本額と次の加算額を合算した額です。
 基本額(子が1人のとき):779,300円
 子の加算額:2人目の子       224,300円
       3人目以降(1人につき) 74,800円

 配偶者の場合は、「子のある配偶者」が受給の要件となっているため、子の加算額が最低1人分は加算されますが、子が受給する場合は、子が1人のときは加算額はないことになります。

支給停止

労働基準法との関係
 被保険者または被保険者であった者の死亡について、労働基準法の規定による遺族補償
 が行われるときは、死亡日から6年間、その支給が停止されます。

 ※業務上の理由による死亡で、遺族基礎年金と同一の支給事由により、労働者災害補償
  保険の遺族補償年金を受けることができるときは、労働者災害補償保険の側で支給の
  調整が行われ、遺族基礎年金は、全額支給されます。


子に対する支給停止
 ①配偶者が遺族基礎年金の受給権を有するとき(配偶者に対する遺族基礎年金が、
  所在不明により支給停止されている場合を除く)
  ⇒配偶者と一緒に暮らしている間は、遺族基礎年金は配偶者に支給され、子に対して
   は支給停止になるということです。
 ②生計を同じくするその子の父もしくは母があるとき
  ⇒たとえば、死亡した夫と先妻との間に子があり、死亡した夫から先妻の子に対する
   養育費の送金が継続して行われていたなど、死亡した夫と先妻の子との間に生計維
   持関係が認められる場合には、先妻の子に遺族基礎年金の受給権が発生しますが、
   先妻の子が先妻と生計を同じくしている場合は、先妻の子に対する遺族基礎年金は
   支給停止となります。なお、この場合、先妻は夫の死亡の当時、離婚により夫の妻
   ではないため、先妻に遺族基礎年金の受給権は発生しません。

配偶者の所在不明による支給停止
 配偶者に対する遺族基礎年金は、その配偶者の所在が1年以上明らかでないときは、遺族
 基礎年金の受給権を有する子の申請によって、所在が明らかでなくなったときに遡っ
 て、支給が停止されます。
 配偶者が遺族基礎年金の受給権を有している間は、子に対する遺族基礎年金は支給停止
 となりますが、配偶者の所在が1年以上明らかでないときは、子の申請によって、配偶者
 の遺族基礎年金を支給停止とし、子の支給停止が解除されることにより、子に遺族基礎
 年金が支給されます。
 なお、所在不明を理由に遺族基礎年金の支給を停止された配偶者は、いつでも、
 遺族基礎年金の支給停止の解除を申請することができます。

 
#社労士 #試験 #独学 #年金 #基礎知識